特別約定とは、後場立会終了時(クロージング・オークション)の板寄せにおいて、通常の板寄せやストップ配分で売買が成立しない場合でも、以下の条件で売買を成立させる約定方式です。
特別約定は通常の板寄せとは異なり、時間優先で約定を付けるため、成行でも約定しないことがあります。
特別約定が行われた後の気配には「後」のマークがつきます。
<特別約定が成立する条件>
大引け時の更新値幅の上限(下限)値段において、買い注文の累計数量(※)および売り注文の累計数量(※)がそれぞれ1単位以上存在する場合、大引け時の更新値幅の上限(下限)値段で売買が成立します。
| ※ | 大引け時の更新値幅の上限(下限)値段およびそれより優先する値段の注文の合計数量です。 |
なお、約定処理の対象となる注文は、売買成立可能値幅の上限(下限)値段に発注された注文および当該値段に優先する値段に発注された注文となります。
また、特別約定における注文の優先順位は、値段や執行条件に関わらず、発注された時刻を元に決まります。
【例1:約定値段が売買成立可能値幅の範囲外にある場合】
| 売累計 | 売注文 | 値段 | 買注文 | 買累計 |
| 10 | 10 | 成行 | 20 | 20 |
| 115 | 20 | 170円 | 30 | 50 |
| 95 | 15 | 140円 | 20 | 70 |
| 80 | 20 | 135円 | 10 | 80 |
| 60 | 10 | 130円 | 10 | 90 |
| 50 | 15 | 125円 | 5 | 95 |
| 35 | 10 | 120円 | 30 | 125 |
| 25 | 5 | 115円 | 10 | 135 |
| 20 | 10 | 110円 | 10 | 145 |
・板中心値段(直近の約定値段):120円
・売買成立可能値幅:110~130円
・通常の板寄せ対当値段(約定値段):135円
板寄せの対当値段(約定値段)が売買成立可能値幅(110~130円)の範囲外である135円のため、通常だと売買は成立しません。
特別約定では、売買成立可能値幅の上限(130円)において売り買いがクロスするため、130円以下の売注文はすべて約定し、130円以上の買注文から時間優先で約定する60株の割当を決めます。
【例2:成行超過で通常の約定値段がない場合】
| 売累計 | 売注文 | 値段 | 買注文 | 買累計 |
| 10 | 10 | 成行 | 130 | 130 |
| 115 | 20 | 170円 | 30 | 160 |
| 95 | 15 | 140円 | 20 | 180 |
| 80 | 20 | 135円 | 10 | 190 |
| 60 | 10 | 130円 | 10 | 200 |
| 50 | 15 | 125円 | 5 | 205 |
| 35 | 10 | 120円 | 30 | 235 |
| 25 | 5 | 115円 | 10 | 245 |
| 20 | 10 | 110円 | 10 | 255 |
・板中心値段(直近の約定値段):120円
・売買成立可能値幅:110~130円
・当日基準値段:120円(制限値幅上限170円、下限70円)
買の成行注文の株数(130株)が、売注文の総株数(115株)よりも多いため、通常だと売買は成立しません。
特別約定では、売買成立可能値幅の上限(130円)において売り買いがクロスするため、130円以下の売注文はすべて約定し、130円以上の買注文から時間優先で約定する60株の割当を決めます。
【ご注意】
| 【参照】 | 内国株の売買制度(日本取引所グループWEBサイト) |
【ご注意】 商品・サービスごとの投資に係るリスクおよび手数料等の説明は、こちらをご覧ください。