資本剰余金を原資とする配当の取扱いについて教えてください。

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  • No : 34019
  • 公開日時 : 2021/11/11 13:48
  • 更新日時 : 2024/06/12 15:26
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資本剰余金を原資とする配当の取扱いについて教えてください。

回答

配当金には、「利益剰余金」を原資とする通常の配当金と「資本剰余金」を原資とする配当金があり、税務上の取扱いが異なります。
 
「利益剰余金」を原資とする通常の配当金
企業の利益である「利益剰余金」から支払われます。
配当所得に該当し、所得税・住民税(20.315%)が源泉徴収された金額を受け取ります。
「資本剰余金」を原資とする配当金
株主が出資した資本から生じた「資本剰余金」から支払われます。
資本剰余金を原資とする配当金は、保有する株式の一部を譲渡したとみなされるため、譲渡所得として計算されます(みなし譲渡収入)。
 
「資本剰余金」を原資とする配当金は、税務上、「みなし配当」と「みなし譲渡収入」の2つの収入に分類して、課税されます。
 
<資本剰余金を原資とする配当>
配当の種類 内容 課税方法
みなし配当 資本剰余金のうち、税務上、資本の払い戻しに該当しない部分
配当所得とみなされるため、源泉徴収(20.315%)された金額を受取ります。
みなし譲渡収入 株主が出資した資本を株主に払い戻す部分
源泉徴収されません。
「譲渡所得」に該当するため、年間譲渡損益と通算して原則確定申告が必要です。
 
「資本剰余金」を原資とする配当については、通常、発行会社から株主宛ての「配当金に関するご案内」等の文書で、資本剰余金を原資とする配当である旨、みなし配当の額や純資産減少割合などが案内されます。
 
また、資本剰余金を原資とする剰余金の配当金が行われた場合、税法に基づき、該当株式の「取得価額の調整」と「みなし譲渡損益の計算」が必要となります。
 
なお、保有する口座区分によって、「取得価額の調整」を次のように取扱います。
 
特定口座
税法に基づき、平均取得単価の修正を行います。
一般口座 平均取得単価の修正は行われません。お客様ご自身で計算する必要があります。
NISA口座
平均取得単価の修正を行います。また、みなし配当は非課税、みなし譲渡損益はないものとされます。
平均取得単価が減額になる分、非課税保有限度額は復活します(成長投資枠(年間240万円)は復活しません)。

資本剰余金を原資とする配当が行われる場合の計算例

保有株数 200株
修正前の平均取得単価 3,000円
純資産減少割合 0.1
資本剰余金からの配当 1株あたり500円(内みなし配当100円)
 
 
【1】資本の払戻しに係る特定口座内保管上場株式等の取得価額調整
効力発生日に特定口座内で平均取得単価の修正が行われます。
 
・修正後の平均取得単価=修正前の平均取得単価-(修正前の平均取得単価×純資産減少割合)
3,000円-(3,000円×0.1)=2,700円
【2】資本の払戻に係るみなし譲渡損益の計算
特定口座の計算に含まれないため、「みなし譲渡損益」として確定申告が必要です。
 
・収入とみなされる金額=(1株当たり配当額-みなし配当額)×株数
(500円-100円)×200株=80,000円
・取得価額=(修正前の平均取得単価×純資産減少割合)×株数
(3,000円×0.1)×200株=60,000円
・みなし譲渡損益=収入とみなされる金額-取得価額
80,000円-60,000円=20,000円
【3】売却による譲渡損益の計算
効力発生日以降に売却した場合は、修正後の平均取得単価から譲渡損益が計算されます。

・売却代金:5,000円×200株=1,000,000円
・取得代金:2,700円(修正後の平均取得単価)×200株=540,000円
・譲渡損益:1,000,000円-540,000円=460,000円
 
確定申告に関する手続きの詳細は、所轄の税務署へお問い合わせください。
 
 
【ご注意】 商品・サービスごとの投資に係るリスクおよび手数料等の説明は、こちらをご覧ください。

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